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吉祥寺は関係ないって言っただろ!

 みなさんこんにちは、星屑のスターダストこと和田アキ子です。
 ハァッ!

 すみません書き出しからどうしようもなくどうでもいい嘘を書いてしまいました。
 僕の名前は伏田。伏田竜一と言います。
 伏見区向島上五反田の伏に織田信長の田、和田竜の竜に金田一耕助の一で伏田竜一です。
 まったく頭に入ってこないですね。はい。でも名前だけでも覚えて帰ってくださいね。
 全部の例に「田んぼの田の字が入ってる人」と覚えるのがおすすめです。
 自分の名前の漢字の例を出す時に全部の例に田んぼの田が入ってる人って誰だっけ……
 あっ! 思い出した!




 和田アキ子だ!



 こんな感じで連想してくださいね。
 はい。続きから本文です。

 おとといのことである。
 友達から突然連絡がきた。
 いや、大体の連絡は突然くるものなのだけれども。
 友達からきた連絡は以下のようなものだった。

「よう伏田、今連絡したのは他でもない、君に頼みたいことがあってな」

「やぶから棒に連絡してきたね、一体何用かね」

荷物がいっぱいあって大変なんだ。土日のどっちか、運ぶのを手伝ってくれたらお小遣いをあげるよ」

 えっ、この人僕のおばあちゃんじゃない!?
 このクエストおばあちゃんから大昔に受けたことあるやつだよ!
 などと思いつつ僕は、

「ああ、いいよ」

 と気安く請け負ってしまったのだった。
 この連絡をくれた人は、先日僕に「カメラを撮ってくれたら1シャッターにつき6万2円払うぞ、ふふふ」などと送ってきた野郎であった。
 僕はそのクエストは断ったのだった。
 僕はカメラの技術は無いのだ。アマチュアなのだ。
 だが今回は荷物を運ぶだけだと言う。それならまあ、困っているそうだし、手伝ってやってもいいかなと思った。
 面倒なことにならなきゃいいなあとは思っていた。
 前に連絡をくれたときにも考えたことだけれど「友達に仕事を依頼する」という段階で、やっぱりちょっと考えが甘いと思う。
 というかあんまり考えてないんだと思う。
 僕が「いいよ」と送ったら、「じゃあ詳細は後日! グッデイ!」などと返信がきて、連絡は終わった。
 いや後日ってお前……絶対何も詳細とか送ってこないだろう……?
 と思った。
 僕は友人としてはこの人のことは好きだし、世話にもなった。恩もある。けれど仕事のやり方はずさんだと思う。
 そういうのは辛いのだ。僕は悲しくなってしまうのだ。特に金銭が絡んでくるともっと悲しみは大きくなる。バイト代? それいくらなのかもノリで決めるつもりじゃないの? 何を運ぶのか、どこに行くのか、何を準備すればいいのか、そんな大事なことをどうして教えてくれないの? 人を使うってそういうことだと僕は思うよ。
 今回の案件を求人票にするなら、

仕事の内容:荷物の運搬(詳細は現場で発表されます)
賃金:未定
就業場所:未定
就業時間:未定



 こうなる。一体何を信じればいいのか。
 友情だ。そうだろう、そういうことなんだろう。
 何も言われないってことは「俺が全部準備する」ってことなんだろう。
 そう信じるからな……!
 いや詳細を聞く前に「いいよ」と言ってしまう僕も大概悪いんだけれどね。


 連絡が来た日の夜、

「なあ伏田、お前運転できる?」

 と、実に不安な連絡が来て胃が痛くなってきた。
 この質問がこのタイミングで出てくることがもう、今回の案件に対しての思考時間の足りなさを暗示している。
 僕はこういう質問をされると本当に頭の毛が逆立つくらいストレスを感じる。
 とある身内案件を受けた際、こういう後から出てきた問題が山積みになって死ぬほど苦しめられたことがあり、それがトラウマになっているのだと思う。

「いや東京の道は運転したくない。6年くらい運転してないし、無理みが強い」

「だよなあ! オッケー!」

 不安である。
 でも僕はここでも詳細を聞かなかった。
 だんだんどうでもよくなってきたのだった。
 なるようになれよと思った。
 なんか変なことになりそうだったら黙って帰ることにする。
 そうなったらもうこの友達に対してお人好しでいることもやめる。頭がハゲてしまう。
 もしこれが遊びであるとか、単なる手伝いだったらば、僕は詳細を聞いていたと思う。
 でも彼がバイト代を払いたいと言った時点でこれは仕事だ。
 お金を断ればいいと、あなたは思うかもしれない。するとどうなると思う?
 彼はお金を払わないときよりも適当になるのだ。
 僕は確信している。遊びから仕事になるのなら良いが、その逆は究極のグダグダである。

 僕は仕事は物凄く一生懸命やる。
 今働いている現場でyoutubeを見てだらだらしているとか、暇な時は寝てるとか、そういうことをブログに書いたことがある。そういうことももちろんやっているけれど、そればっかりだったら普通にクビになっている。
 僕は一生懸命やりつつ、きちんと休みたい。だからそれを実行しているし、それができるように自分なりに環境や人間関係を調整している。
 だらけるのにだって技術やリソースが必要なのだということが言いたいし、疲弊するまで働くことが偉いとはこれっぽっちも思っていない。


 昨日、友達からメッセージが届いた。
「明日の12時30分に吉祥寺駅でどう?」
「大丈夫」
「じゃあそれで! また明日!」
 詳細は以上だった。
 でも集合時間と待ち合わせ場所を教えてもらえるだけでかなり安心した。
 正直、この案件自体が彼の一存で「無し」になることも充分に在り得たからだ。
 僕は彼の手伝いをするために土日は予定を開けてあった。
 ていうか吉祥寺駅って、一体何を運ぶんだろうか。
 この期に及んで僕はまだ、運ぶものの正体を知らされていなかった。

 僕は吉祥寺駅に11時50分に到着した。
 40分前行動である。どうせ友達は遅刻してくるんだろうなあと思ったので井の頭公園などをぶらぶらした。
 井の頭公園には大道芸人がたくさんいて、暇を持て余した人々が群がって写真などを撮ってにやにやしていた……って描写に毒が多い! 心が荒んでいる……!
 僕が座っているベンチの隣に可愛らしいおしゃれな女の子が座って、一緒に散歩していたのであろうおばあちゃんと楽しそうに会話を始めた。すごく心がなごんだ。……ってこれじゃあ完全なおっさんじゃねえの……心が老いている……。
 友達はメッセージで「12時44分に着きそう」と送ってきた。
 僕はベンチに座ってそのメッセージを20秒ほどみつめた。
 そして「はい」とだけ返信した。
 僕と彼では仕事に関する価値観の差が大きすぎる。
 そのことで怒ったりはしない。注意もしない。
 ただ、僕は悲しい。

 友達は12時44分に吉祥寺駅に現れる。
 何故か握手をする。
 二人で適当なラーメン屋に入って飯を食う。
 吉祥寺まで来てラーメンを食うのもいかがかと思うが、男ふたりでパンケーキを食うのもなんだか気持ちが悪いしね。
 店を出てから彼はやっと説明をはじめる。
「今からリサイクルショップに行くから、家電を運んでほしいのね」
「ん? 家電って何? 冷蔵庫とか?」
「いや、なんというか色々。ストーブとか、アンプとか……?」
「おう。それを、君の家に持ってくのな? つーか、配達してもらえばいいのに」
「金が凄いかかるから、それは困る」
「ふーん。そんなに家電いっぱい買って、自宅のもんを総取っ替えするのか」
「いや……俺が使うもんじゃないんだよね……」
 一向に要領を得ない会話であるが、少なくとも何をどこに運ぶのかは分かってよかった。
 そんなに重いものも無さそうだった。
 全ては僕の心配性がゆえの杞憂だったのだ。
 めちゃめちゃ軽いものだったら金も無くていいや別に。とまで僕は思い始めていた。お人好し炸裂である。
 しっかり仕事してくれればなんだっていいのだ。
 たとえ僕の仕事じゃないとしても、僕は仕事に対しては妙な敬意を払っているのだ。

 リサイクルショップについて、彼は商品を見始めた。
 そして衝撃的なことを言う。
「これから状態の良いものとかを買っていくんだ」
 びっくりした。
 なんというか僕は、すでに物を買ってあって、お店に置いてもらってる状態だと思っていたのだった。
 買い物から始めるのかあ……と思って再び悲しくなった。
 絶対に時間がかかりそうだったので、一生懸命選んでいる友達を残してリサイクルショップを探検した。
 いやあ、リサイクルショップって本当に楽しいよね。
 すごく高価なオーディオ機器とか見ているだけで楽しい。ブルーレイレコーダーとかも欲しくなる。楽器コーナーとかに行ったら物欲爆発だ。たくさん並んでいる腕時計とかを見るのも面白い。ビンテージなおもちゃとかは可愛らしい。とても楽しい。
 そして買い物は終わらない。
「ちょっとその辺探検してくるわ」
 と言って、僕は吉祥寺の街に飛び出した。
 ミニシアターを訪ねた。バッティングセンターでジュースを飲んで空を見た。ヨドバシカメラをぶらぶらし、ラウンドワンでタバコを吸った。公園のベンチで小説を読んだりもした。完璧な暇人ムーヴだった。
 友達からメッセージが来た。
 リサイクルショップに戻ってみると、店員さんと何やらもぞもぞやっている友達の姿があった。
 友達が持ってきた台車にはストーブが乗っていた。それをゴム紐で留めたり、大きな白いビニール袋に入れてもらったりしていたのだった。
 最終的に僕が両手に荷物を持ち、友達は片手で台車を押し、更に片手に家電が入った大きな袋を持つことになった。
 案外軽かったので良かったが、本当の地獄はここからはじまるのだった。

 まず友達が持ってきた台車のタイヤが小さすぎてすごくゆっくりしか進めなかった。
 視覚障害者用の点字ブロックにすら毎回つまづくのでおじいちゃんに抜かされるくらいゆっくり歩かなければならなかった。
 我々の荷物を撮ってきたのでみてください。




にもつ


 これを持って、吉祥寺のアーケードをおじいちゃんの速度で歩くことを想像してください。


きち



 更に山手線に乗ることを想像するのです。


やま


 あなた、この荷物で新宿駅から山手線に乗れますか。




 ほんとに大変だった。
 横断歩道ではいちいち僕が先にダッシュで渡り荷物を置いてから友達のサポートに回るという動きにならざるをえず、駅のエレベータを探して歩き回り、電車に乗る時は更にはらはらしながら決死の覚悟で乗り込み、坂道では三回くらい休憩を入れ、汗を流し、なんとか荷物を運び終えました。
 友達が家に寄っていけよと行ったのですが、断りました。
 友達の家には彼女が住んでいるので、入りたくなかったのです。
 じゃあ一緒に飯に行こうというので、行きました。
 そこでお金をもらいました。二千円もらいました。
 僕の家から吉祥寺までが電車で500円。吉祥寺から友達の家が電車で500円。
 昼飯代が800円。夜飯代が1050円です。

 帰りました。
 雨が降っていました。
 僕は濡れました。
 良いことをしたと思いました。
 でも僕は、やはり悲しみも感じていました。
 この悲しみの正体が一体なんなのか、僕にはよくわかりません。
 それでも、ただ一言だけ言えることがあります。













 軽 ト ラ 最 強










 過去に別の友だちの引っ越しの手伝いをした記事を書いているので、こちらも合わせて御覧ください。


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