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筆が折れる前に心がへし折れたのは何故だ

 小生、心がへし折れて候。
 "この世おば我が世とぞ思う望月の欠けたることも無しと思えば"
 ああ小生、今こそ藤原道長さんをリスペクト致し候。
 傲慢レベル全マックスで不安なんてひとつもねぇぜオイ~~って気持ちになってみたく思い候。
 シンクロニシティーというかなんというか、人と会う約束というのは何故か集約されることがあって、それがここ三日間だった。
 金曜日はMとSくんとNくん。
 そして日曜日が長老。
 つまり今日、僕は長老と遊んできた。
 長老と遊んできた、って書くともうなんだか変な感じしかしないが、実際にほんとにただ遊んできただけなので遊んできた、って書くしかないのだけれど。
 国立能楽堂に行って能楽を見てきた。
 渋すぎた。
 というか僕は多少、演芸はなんでも理解できるつもりでいた。落語が好きだからだ。
 けれど能楽は別次元過ぎた。全然意味が分からなかった。キャラが喋ってる言葉がまずまったく分からない。舞台に8人並んで歌ってるというか唸っている人たちも何を言ってるんだかさっぱりわからない。太鼓や笛も適当にやってるようにしか聞こえない。前の座席に座っていた眼鏡の若者が開始五分でいびきをかき始めたのも全く理解できない。一体何しにきたんだキミは!? と思っていたら目に映る観客の5割程度がうつむいて寝ていた。マジだ。

 異次元である。

 ストーリーもBGMも踊りも意味不明。しかもお経みたいにずーっと何か言ってる。そりゃ……眠くもなるわ! と思った瞬間、僕も少し寝ていた。マジで眠かった。舞台の最初に解説をしてくれる方が出てきて「眠くなるかもしれませんが、能って科学的に眠くなることが証明されているので、舞台上の我々も眠くなっちゃうんですよ~」とにこにこ説明してくれたけど、それは本当のことだった。アットホームで大変良かった。というか舞台で眠くなるのはアリなのか。
 ただ、長老いわく平日の興行はもっと敷居が高く、客席にはお金持ちそうな着物のマダムとかがとても多くなるらしい。イビキなんてかこうものなら大恥をかくんだぜとのこと。
「俺らなんて坊やだよ」
 などとおしゃっていた。確かに年齢層はかなり高いだろうと思われた。

 能の後、新宿でホルモンなんぞを焼いて食った。
 ここのエピソードは特に無い。
 合コンをやっている大学生みたいなグループがわいわいしてる居酒屋であった。

 次にDUGに行った。覚えている方もいるかもしれないが、この間僕が行ったジャズバーである。
 前に行った時はカップルパリピで溢れていてあんまり居心地が良くなかったので次は無いなあと思っていた場所だったが、長老が行きたいと言ったので行ってみた。するとどうでしょう。まさかのおじさん率が80%だった。
 前回と全く全然ノリが違う。多分今回が本物のDUGなんだろうなと印象を改めた。この店ならまた来たい。一人客がとても多かったし、カウンターで曲に合わせてヘドバンしてるおじさんが良すぎた。やっぱり音楽ってああやって聞かないとダメだなと思った。
 そのあと「もう一軒行きますか」と僕が言ったら長老が「よし、ホテルの最上階のバーに行こうぜ」と言い出した。

 ホテルのバーって……ドラマにしか存在しないんじゃないの?

 架空の場所だと思っていた僕だが、せっかく長老がいこうと誘ってくれたんだから全力でノッていく。思えば僕は昔から、怖がりというか勇気が無いというか、自分を上手いこと言いくるめて行動しないことがある。そういうところは本当に改善しなきゃいけないと思っていた。それで最近、行ったことがない場所にひとりで行ったりして経験を積んだ。ひとりで行ってみる勇気。そこで恥をかくのもまた経験である。なんて前向き。ポジティブかよ。
 ということでとあるビルの最上階である50階にエレベーター乗ってスウ……っと向かった。静かで上質な空気が流れていた。さっきまでホルモン焼いてたのが嘘みてえだ。窓から見える景色がめちゃめちゃ夜景。当たり前だけど。
 三件くらいレストランがあって、ワインレストランだかなんだかの店の前のメニューを見たらワイングラス一杯3800円(⌒ー⌒)ノ~~~

 ワインボトル10000円(⌒∇⌒)ノ""

 赤ワインソースの仔牛の煮込み5800円ヾ(=・ω・=)o☆

 チャージ 69820円 (〃⌒ー⌒〃)ノ゛゛゛゛~~~~~

 水 1200円 ヾ(*'-'*)ヾ(*'-'*)ヾ(*'-'*)

 思い出 プライスレス

 ※貧乏人はご遠慮ください


「いやあ伏田さん、ここのディナーお値打ちだねえ」
 と長老が金持ちジョークを言い始めたので手の平クルーン芸を披露することに。
「あ、ほんとですね。このワインなんて3800円ですかあ、やっすいなあ。今ちょっと小銭が余ってるのでちょうどいいですね。お札って邪魔で困ります」
「ここでさっと食べちゃって、次はあっちのホテルに行こうか」
 と、ひとしきりやった後で、三件あるうちで一番安いホテル――ビール七百円――に行った。
「ペアシートしかないですけどいいですか?」
 というようなことを店員さんが言ってきたので承諾すると、すんごい密着した席に通された。

「俺ら完全にモーホーだろうがコレ」

 長老と僕は坊主であった。
 ちなみに僕は黒いオープンカラーシャツを着ていて胸がはだけていた。
 完全にそっちの人だった。
 長老と僕はプリンを頼んだ。
 たいがい悪ノリだったように思う。
 高級ホテルの最上階のやたら雰囲気がいい薄暗い夜景の綺麗なレストランででプリンだけ頼んで帰るって馬鹿過ぎると思う。

 プリン 400円

「こんどは女の子でも誘って来な。もう雰囲気はわかっただろ」
 ホテルを出ながら長老が言った。
 僕は深々と頭を下げた。
 こういう馬鹿に付き合ってくれる人って、ありがたい。
 二人で新宿駅まで煙草を吸って別れた。

 それからやっと本題に入るが、僕の心がへし折れた。

 何故だ。
 何故か落ち込んでいる……!
 すっげー楽しかったのに!
 電車に乗りながらへし折れた心の傷跡をつぶさに眺めてみる。
 するとにゅるにゅる原因が浮かび上がってきた。

1、浪費
2、酒
3、創作コンプレックス

 以上、不治の病三点セットでございます。お悔やみ申し上げます。
 小市民だから僕、ここ三日間の金遣いの荒さに深層心理が耐えきれず破裂したようだ。
 三日で二万くらい使っていた。
 こんなに使ったことはそうそうない。僕は小市民なのだ! 大人の二万なんてたかが知れてると思うあなたはきっと金持ちなのだろう! うらやましい! キャビア挟んだリッツでも食ってろ! んでメタボになって北の偉い人と間違われろ! 今エレキギターがあったら俺のパワーコードで世界が変わる気がするぜ! NO FUTURE! ハッハー!
 でもまあこれからお金使う予定は特にないし、七月は大丈夫だろう。
 イベントがある日くらい金を使っていいんだよ
 楽しかったし新しいこともたくさん経験した。
 Mとのメシは最高に美味かった。
 SくんNくんとの温泉及び居酒屋は居心地がとてもよかった。
 長老とのイベント盛りだくさんはまさしく大人の遊戯。価値大。
 オッケー1個不満を撃滅した。ブルズアイ。

 酒。
 難儀な問題なのだが、これは僕が以前のブログから書き続けてきて、色々な人と絶縁するきっかけになった酒。
 いや、酒は悪くない。
 悪いのは僕だ。
 僕は酒を飲むと最高にハッピーな男になる。たぶん僕の友達の中で一番幸せになれる。
 だからこそ反動が物凄いのだ。
 それはずっと前から知っていた。というかそういう人間がアル中になるのだ。
 変わってしまう人が。変われてしまう人が。

 酒がきっかけで仲良くなった人は、酒がきっかけで僕の元を去った。

 よくある話だ。ケッ。この行だけ浮かして書くようなことでもない。
 これは生涯僕につきまとう問題だろう。
 飲んで幸せな気分のままでいられたら、いっそ全てを犠牲にして僕だけ楽しくしていられたら、きっと誰も迷惑しなかっただろう。でも僕は、飲みすぎたあと、必ず落ち込む。
 絶望する。
 頭を抱えて陰気なことこの上なくなる。
 明日には元気になっているはずだが、それでもこの落ち込んでいる期間は、うっとうしい。
 自分でもうっとうしくて邪魔くさくて愚痴っぽくて嫌だなと思う。
 そうか。
 じゃあ今だけは落ち込むのをやめよう。
 やめた!
 FOX2! FOX2!
 2つ目の問題を軽くやっつけた。
 どうせ今月はもう友達と酒を飲みに行く約束もない。
 普段は酒を飲まないようにしてるし、前より飲み方がうまくなったと思うぜ。
 今日は誰かに絡んだりしなかった。
 最後までまともな思考でいられた。
 成長してるのだ。これでも学んでいるのだ!

 創作コンプレックスくん。
 きみとの付き合いも、もう十年以上になりますね。
 ぼくは創作が好きです。
 でも創作は僕を好きではなかった。
 それだけのことだったんでしょう。
 色々な仲間がいなくなって、あなたはきっと、寂しいのでしょうね。
 無駄に苦しんでいるのでしょう。
 でもいくら苦しんでもあの輝かしく苦渋に満ちた過去が蘇ることはない。
 二度と、無い。
 そして「卒業」していく人たちはもっともっと増えるだろう。
 みんな小説かいてたよねぇ懐かしいなぁと言って過去にしてしまうだろう。
 自分たちが書いた拙い作品をちらりと見ては苦笑して、押し入れの中にしまってしまうのだろう。見えないところへ。
 そして最後に残ったこの僕も、やめるんだろう。
 すべて無駄だったなあとか思いながら。
 つまんねーな。
 そんなのは、つまらんな。
 色々な障害があって創る邪魔をしてくる。環境も。年齢も。金銭も。健康も。家族も。自分自身ですらも、創作の邪魔になる。
 うーん、これをやっつける方法だけは今だにみつかってない。
 酒や浪費とは明らかに違う。
 創作はいつも頭の中にある。アイディアのメモもとる。けど日常に埋もれる。時間が取れなくなる。また明日、その繰り返しだ。全然書けてない。
 何故だ?

 本当は好きじゃないのかもしれないな。

 そうか、本当は創作のことなんか僕は大嫌いなのだ!
 だから他のことをしてしまうのだ。
 今まで勘違いしていただけで、夢を見ていただけで、本当は嫌いだったんだ!!
 書くのはずっと苦痛だった!
 面白いことなんて一つもなかった!
 自分の絵も気持ち悪かった!
 翻訳とか恥ずかしいだけだった!
 知らない間に自分に嘘をついていたからこんなに長い間、僕は苦しんでいたのだ!
 ハッハー! 解決! QED。
 明日から僕は「創作できないよう」なんて泣き言はいわなくなるだろう。
 なにしろ嫌いだから!
 明日から僕は創作について悩むことはなくなるだろう。
 なにしろ創作なんて大嫌いだから!

 これで全てうまく行く気がした。
 そんな夏の夜のたわごと。



※よっぱライティングなので一応、この作品はフィクションです。


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コメント

あえて大声で。はいでぃほー!!

なんていうか、私の記事なんかなんてことなく思えるぐらいえぐい内容でした。
…伏田さんを友達だと思ってるからこそオブラートに包まないで書いたけど、不快だったらごめんね。

そっかぁ、アニキは創作が嫌いですかぁ。ラジカセおばさんについてく話も殺人許可証の話も面白くて大好きなのになぁ。
でも何かを生み出すのって苦しいですもんね。辛いですもんね。その気持ち、わかります。
もし伏田さんが創作をやめてしまう日が来ても、友達同士でいられたら嬉しいです。
私は書き続けますけどね。筆が遅くても逃げたくなっても、また書く私に戻ってくるから。

どうか気負わないで。

フィクションのお話に、余計なお世話をしました。
ではでは、また。

Re: タイトルなし

 hanacoさん、はいでぃほー!

 うーんやはりえぐかったでしょうか。
 書いている時は「面白いなあ」と思って書いていたので、自分では全然えぐみを感じなかったのですが、酒と創作のターンはちょっとねちねちしちゃって「陰」のイメージがあるので、それがえぐく感じられたところかなあと思いました。

 昨日のフィクションで言いたかった創作について、書き足りてない部分がありました。
 文脈をみれば分かりますが、「創作」が嫌いなのではなく「僕がする創作」が嫌いだということです。ちょっと分かりづらかったので明記しておきます。
 この話題は3年くらいずっと書いてきたので、ほとんど手癖みたいな記事なのですが、書くたびに違う着地点に至ります。今回は僕が小説を上手く書けない、のめりこめないのは執筆が実は嫌いだからなのだと思ったのです。
 嫌いだと分かったからと言って、何も変わらないんですけどねw
 むしろ嫌いだからこそ書けるものがあるんじゃないかとも思っています。
 好きでも嫌いでもなく、全くの無関心になった時が僕の創作の終わりでしょう。

 "もし伏田さんが創作をやめてしまう日が来ても、友達同士でいられたら嬉しいです。"
 ぼかぁこの一言が聞けたのでこの記事を書いてとても良かったと思いました!
 ふつつか者ですが、末永くよろしくお願い致します。

 hanacoさんのその言葉を実現させる手伝いができたらいいなあと思います。
 僕はhanacoさんは前に進む力が凄く強いと思っています。
 何かできることがあったら言ってくださいね!

 コメントありがとうございました!
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